株式会社三菱総合研究所 様


intra-mart Accel Platformで知識共有システムを構築

グループウェア、文書管理、ワークフローをポータルで統合してコミュニケーションスタイル、ワークスタイル改革を目指す。
総合シンクタンクの株式会社三菱総合研究所(以下、MRI)は、2014年6月から新しいポータルの利用を開始した。
基盤として用いたのはintra-mart Accel Platformであり、ポータルのバックエンドでは、intra-martのグループウェア、文書管理、ワークフローが連携している。コミュニケーションと情報共有の環境を大きく刷新して、MRIのコミュニケーションスタイル、そしてワークスタイルを変革する基盤を整えつつある。次世代コミュニケーション、コラボレーションの理想形を求めて、MRIはさらなるアプリケーション開発、機能拡張に取り組んでいる。

課 題

掲示板やメール依存から脱却して「受信者視点のコミュニケーション」を目指す

株式会社三菱総合研究所
情報システム部 主査
伊藤 俊和氏
 三菱総合研究所(以下、MRI)は、国家や企業の政策・経営戦略を立案・提言する頭脳集団である。

 「弊社は、過去に類例のない課題解決への貢献を求められていることが多く、既存の学問体系の知識を駆使しつつ、学際的かつ実務的な活動を縦横に展開しなければなりません。研究員の連携を強化し、相互に高め合い協働することは、長年にわたる重要な経営課題なのです」と、全社ポータルの管理部門である広報部主任研究員の山田秀幸氏は語る。

 従来は、コンテンツマネジメントシステムをベースにした全社ポータルで、情報共有をしてきた。報告書共有、手法共有など、目的別のサブサイトも整備してきた。しかし、各情報のつながりが表現しきれず、研究者が必要とする情報の流通・共有には不十分だった。

 コミュニケーション手段の中心はメールだ。しかしメールに書かれた情報は、発信者・受信者個人にヒモづいたまま埋もれてしまい、再利用しにくい。

 こうした課題解決の方向性として、「受信者視点のコミュニケーションへの移行」「フロー情報とストック情報の分離と統合」「人財につながるコミュニケーション」が挙げられた。

 「発信側は、メール送信で連絡が完了したと思いがちです。しかし受信側では、チャット的なTHANK YOUメールのCCなども含め、膨大なメールの山の中に埋もれる状態にあります。受信者が受信フォルダを分類し、重要性フラグを登録する作業も積み上げれば相当な手間となります。発信と受信は1対多である場合が多く、全体効率の向上には、発信者視点のコミュニケーションから脱却し、受信者視点への切り替えを急がなければなりませんでした」と山田氏。

 また、プロジェクトとは「関連情報を収集・整理し(ストック)、分析・考察・創発を加え取捨して(フロー)、新たな価値を生み出し、成果物としてまとめる(ストック)という一連の流れである」と抽象化できる。したがって、フロー情報とストック情報を、受信者視点で効率よく活用できるような環境づくりが必要となる。

 「知識共有・文書管理システム構築の目的は、情報の品質向上・生産性の向上、人財育成、コミュニケーション向上、組織連携・協働促進、情報セキュリティ強化、コンプライアンスと多岐にわたります。つまりは、コミュニケーションのQCDR(品質・コスト・デリバリー・漏洩リスクの管理)向上を目指しているのです」と山田氏は語る。

導 入

ワークスペース活用の構想と期待「フロー情報とストック情報の分離・統合」に着手

株式会社三菱総合研究所
広報部 主任研究員
山田 秀幸氏
 情報活用を生業とする企業が、社内のコミュニケーション、コラボレーションの理想形を求めるプロジェクトであるだけに、ソリューションの検討は慎重に行った。約10 社のベンダーに提案を求め、さらに3社に絞って2次検討を行った上で選定したのがintramartである。製品としては、システム基盤/PaaSの「intra-mart AccelPlatform」に、グループウェア、ポータルなどのアプリケーションシリーズ「intra-mart Accel Applications」と、BPM/ ワークフロー統合ツール「IM-BIS」を組み合わせたトータルソリューションだ。

 「私たちの要件は非常に幅広く、ポータル、グループウェア、文書管理、ワークフローなどの領域をすべて包含するソリューションが必要でした。intramartは必要な機能を網羅しているうえに、個別機能の詳細な比較でも総じて高い評価点を獲得しました」と語るのは、全社ポータルの基盤を管理する情報システム部 主査の伊藤俊和氏だ。

 さらに伊藤氏は、「特に、『導入してすぐに使い始められるパッケージ』と『高度なカスタマイズが不可欠』という、相反する要件を同時に満たせるのはintra-martだけでした」と明かす。

 開発フレームワークが基盤に据えられており、現場が必要なワークフローなどは現場自身で開発しながら、システム相互を連携させられる点も重視した。さらに、10年以上にわたって安心して使える継続性、ライセンスコスト・運用コストを総合してのコストパフォーマンスの高さも、評価ポイントになった。

 さて、「受信者視点のコミュニケーション」を実現する手段として、まず活用したのが、intra-mart のスケジューラである。

 連絡・依頼は、相手の予定表に「依頼イベント」として記入することを基本ルールとする。これにより、実施日・締切日はスケジューラが自動的に表示して注意を促すため、伝達漏れがなくなり、督促メールや再掲示の手間が軽減できる。受信者も、メールや掲示板の内容を自分の予定表に転記する手間がかからない。コミュニケーションのQCDが向上する。

 例えば、人事部から報知される人事考課のスケジュール(自己評価、1次評価など)が、効率よく伝達できるようになった。自己評価の記述項目は部署や役職によって異なるため、全社一斉の報知では徹底しにくかった。これを、人事部が部署や役職ごとのスケジュールに書き込むことで、各人の予定表には本人にとっての締切日が示されるのである。

 もう1つ、「フロー情報とストック情報の分離・統合」というコンセプトに基づき、intra-mart のコラボレーション機能の活用を検討している。例えば、プロジェクトの資料や成果物はワークスペース画面の左側アイテム欄に格納・表示し、関係者間の連絡や意見交換は右側のグループボックスで行う。1つのプロジェクトに関する情報を1つのワークスペースに統合しつつ、ストック情報とフロー情報を明確に分離することで、コミュニケーションの質が高まることなどコラボレーション機能のコンセプトは高く評価される。

 一方、実務機能としては不十分な部分が残っており、来夏に予定される大幅改良が大いに期待される。

「フロー情報」と「ストック情報」の分離と統合を実現した「ワークスペース」画面

効 果

グループウェア、文書管理を連携させポータルに情報を集約
 新しい知識共有・文書管理システムは、2014年6月にカットオーバーした。利用者は、従業員のほか、派遣社員やアルバイトも加えて、約1600名である。

 ポータルには、これまで以上に様々な情報が統合され、業務効率の向上に寄与しつつある。

 例えば、ポータル画面で「外注管理」を選び、作業していくと、必要に応じて書類のリストが表示され、目的の文書をPDF形式で見ることができる。上司の承認が必要なプロセスになれば、ワークフロー(電子申請)が起動できる。グループウェア、文書管理、ワークフローはバックエンドで連携しており、利用者は個別システムの起動を意識する必要がない。

 こうした画面と書類のリンク構造は、社内広報の観点から、広報部に所属する担当者が表計算ソフトで管理している。

 「例えば『業務知識― 過去通達―2013年』などのディレクトリ構造と、リンクする書類のURLを表計算ソフトに入力しておき、このCSV 出力をintra-martに取り込むだけで、項目名を記したボタンなどが自動的に配置される仕組みを作りました。文書管理システム側の構造を変えなくても、効率よい文書活用を進化させていくことができるのです」と山田氏は言う。

 また、コミュニケーションのQCDR向上に役立っているのが、ワークフローシステムによる社内申請処理の電子化だ。IM-BISを活用して、40本ほどを社内開発したところ、利用開始から4カ月後には、約2000件の申請が処理されている。

 「研究員が業務に関する書籍を出版するときには、企画・草案・最終原稿の各段階で、合計3回の申請・承認手続きが回ります。社外で講演するときも最低2回は回ります。システム化したことで、出張中でも承認の流れが滞ることがなくなるほか、申請様式管理や承認経路の統一、確認・承認行為自体の手間も軽減され、業務の効率化に大いに貢献しています。紙消費の削減にもつながりました」と山田氏は語る。
「MyPortal」画面では、コミュニケーション・ツールとしてスケジューラも活用できる

未 来

MRIの貴重な知見を取り込んで次世代コミュニケーションツールへと進化
 「情報共有は手応えが出てきました。私たちが変わっていくきっかけをつかみつつあるという実感もあります。しかしまだ、やりたいことの10分の1程度しか実現できていません」と山田氏は厳しい表情だ。

 今後も「人財につながるコミュニケーション」という目標のためのアドレス帳機能リリース、部署別ではなく業務プロセスに沿った情報の再構築、スマートデバイスを活用してのワークスタイル改革など、予定が山積みである。intra-martの機能強化に向けた要望も数多く挙がっている。

 「基本となる描画レスポンスの高速化や、フロー情報とストック情報を統合する機能の追加開発などの機能強化に加えて、各機能を用いた具体的な利用事例を追求してほしい」と伊藤氏は語る。

 NTTデータイントラマートは、こうした要望を真摯に受けとめ、実現に向けて取り組んでいく。拡張性に富んだintra-martは、MRIの貴重な知見を積極的に取り込みながら、次世代コミュニケーション・コラボレーションツールへと進化しようとしているのである。

基本情報

株式会社三菱総合研究所

本 社 東京都千代田区永田町二丁目10番3号
設 立 1970年5月8日
資本金 63億3,624万4,000円
社員数 連結3,458名、単体870名(2013年9月30日現在)
概 要 シンクタンク、コンサルティング、ITソリューションの3つの機能を有する世界でもユニークな企業グループ。国・官公庁・地方自治体、企業が抱える課題の解決や、あるべき未来社会を実現するためのサービスを提供し、豊かな未来を共に創造する「未来共創事業」推進を目指す。
URL http://www.mri.co.jp/

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