業種:航空 / 業務:顧客情報管理、ポイント管理 / 用途:BtoCシステム構築
マイレージサービス「My AIRDO」がスタート。使いやすいB to Cシステム開発にはOSSとintra-martを活用
北海道国際航空株式会社(以降「AIR DO」と表記)は、2007年12月10日、新しいマイレージサービス「My AIRDO」をスタートした。インターネット上から入会しておけば、マイレージポイントが自動的に登録・積算されるなど、利用者サービスが大幅に向上した。システム開発にあたっては、フレームワークとしてintra-martを採用。Seaser2をはじめとするOSS(オープンソース・ソフトウェア)を活用して、利用者が使いやすい動きの良いB to Cシステムを、低コストかつ短期間で構築することに成功した。

「My AIRDO」は、インターネットで利用する新しいAIR DOのマイレージサービスである。 インターネット上からMy AIRDOに入会しておけば、航空券の予約・購入時に、性別、電話番号などの細かい情報を何度も手入力せずに、会員登録情報が自動的に反映されて便利である。 また、従来からAIR DOは、同一人名義の搭乗半券8枚を郵送すれば、片道分の無料航空券と引き換える「DOマイル」というマイレージサービスを実施してきた※。My AIRDOでは、会員IDを示して航空券を購入すれば、あとは搭乗するだけでポイントが自動的に登録され、積算される。利用者が、8枚貯まるまで長期間にわたって、半券の実物を保管しておく必要がなくなったのだ。 インターネットの画面からいつでも思いついたときに、自分の過去2年分の搭乗履歴や現在のポイント数を確認できるのも便利なポイントだ。マイレージ会員へのサービス内容が大きくレベルアップしたのである。 「My AIRDOサービスを開始して1ヵ月半で、登録会員が2万人を超えました。これは、予想を超えるハイペースであり、利用者から新サービスが歓迎されている証し。さらに2008年3月までで4万人に達しました。」と、北海道国際航空株式会社 営業本部 営業部 営業企画グループスタッフ 杉渕佳央氏は目を輝かせて語る。

AIR DOは、北海道に根ざした航空会社として設立され、1998年、35年ぶりに日本の定期航空運送事業に新規参入を果たしたチャレンジャーであり、パイオニアである。 このAIR DOが、新しい会員サービスをスタートさせた背景には、2つのねらいがあった。 ひとつは、顧客サービスの向上による競争力強化だ。 航空業界の顧客獲得競争はさらに激化しているが、新規参入航空会社の中で、インターネットを活用したマイル自動積算機能を提供するのは、AIR DOが一番乗りである。インターネットを使ったB to Cサービスを充実させることで、航空運賃とは別の面で差別化ができるのだ。 もうひとつのねらいは、個別に構築・運用してきた3種類のデータベースの統合だ。 AIR DOは、前述した「DOマイル」サービスのほかにも、道民割引というサービスを行っている。北海道に在住しているか、本籍があるか、勤務先の本社住所が北海道である人には道民カードを発行して、割引料金で航空券を購入できるようにしているのだ。道民カード登録者は10数万人にのぼるが、これまでは、このデータベースを分析したり、セールス・プロモーションに活用するといった取り組みは行っていなかった。 「最大の問題は、予約システムに蓄積される搭乗者データベース、DOマイルデータベース、道民カードデータベースが、相互に連携していなかったこと。利用者の航空券購入履歴を串刺しにして把握することができなかったため、せっかくのデータベースをマーケティングやプロモーションに活用することができませんでした」と、北海道国際航空株式会社 営業本部 営業部 営業企画グループスタッフの津島直子氏は語る。 幅広い一般利用者が便利で使いやすいと感じるインターネットのしくみを整えたい。同時に、バックエンドのデータベースを一元化して、ダイレクトマーケティングを行える環境を作りたい。そこで考案したのがMy AIRDOサービスであり、3種類のデータベース統合を大前提としたMy AIRDOシステムの構築であった。

開発にあたっての大きな要件は、データベースの一元化、つまりシステム連携を確実に実現することに加えて、「お客様にとって使いやすいこと」であった。インターネット技術を効果的に活用して、顧客とのダイレクト・コミュニケーションに道を開くことが強く求められたのである。しかも、これらの要件をコストをかけずに短期間で実現し、他社に先駆けてサービスをスタートさせなければならない。 そこで活用したのが、OSS(オープンシース・ソフトウェア)だ。 まず、コンポーネント間の依存性を排除し、再利用性・カスタマイズ性を飛躍的に高めるDIコンテナに着目。具体的には、国産DIコンテナとして普及度が高いSeaser2の採用を決めた。そして、Seaser2をいち早くサポートしていたフレームワークのintra-martに注目したのである。 OSやデータベースとしてOSSを単独で利用するこれまでの開発とは異なり、Webシステム開発では、さまざまなOSSを混在させてトータルな生産性を向上させなければならない。そこで不可欠になるのが、フレームワークである。intra-martは、品質、信頼性、継続性など、その時点で最適なOSSを選択し、組み合わせて検証を実施したうえで製品リリースをしているため、開発者がOSSの組み合わせや相性に悩む必要がないのだ。また、Seaser2、Struts、JBossなど、intra-martに組み込まれているすべてのOSSは、NTTデータイントラマートがワンストップで技術サポートを提供する。 「最新のOSSを駆使することで、トップページから予約まで、最小のクリック数で完了できるシステムを作ることができました。会員としてログインして、リアルタイムな決済や座席指定をするには、My AIRDOサーバ、予約システムサーバ、コンテンツサーバの間を会員情報を保持しながら何度も行き来しています。最新技術を駆使しているからこそ、Simple is bestが実現できました」と津島氏は語る。 さらに杉渕氏は、「Seaser2とintra-martを組み合わせることで、開発の幅が広がりました。intramartはその名のとおり、イントラネット用のツールなので、B to Cシステムを開発するには少し不安もあったのです。けれども、Seaser2をうまく取り入れることで、そういう問題を乗り越えて、利用者の使いやすさを追求することが可能になったのです」と明かした。 たとえば、外部からの不特定のアクセスにも対応してユーザー管理を行うために、ログインの暗号化やセキュリティの機能強化もSeaser2とintramartを組み合わせることで実現した。 アプリケーションサーバには、EJBコンテナのResinを採用した。採用のポイントは、従来採用していた市販のアプリケーションサーバ製品と比べてのレスポンスの良さ。このレスポンスのテスト測定にも、OSSのJMeterを利用している。 こうした多種のOSSを安定して利用できたからこそ、「それぞれ運用ルールも構造も異なる3種類のデータベース統合」というむずかしい課題もクリアすることができたのである。 「NTTデータイントラマートのコンサルティング・サポートも良かったと開発者から聞いています。Seaser2単体ではなく、intra-martとの機能の組み合わせやResinとのつながりなど、深い質問に適切に答えてくれたということでした」と杉渕氏は付け加えた。 AIR DOは今後、一元化された顧客データベースを活用して、ダイレクトマーケティングに取り組んでいきたいと考えている。 「お客様の顔が見えるようになったことは、今回のシステム開発の最大の成果です。お客様ごとに最適な情報を提供して、AIR DOならではの特長をうまく伸ばしていきたい」と杉渕氏は意気込む。 OSSとそれを支えるフレームワークのintra-martとの組み合わせは、6ヵ月という短期かつ低コストな開発を実現したうえに、今後の「AIR DOファン」育成に向けての効果的な環境構築を成功させたのである。※最近24ヶ月以内〈2007年12月9日以前搭乗分は18ヶ月以内〉。無料航空券、団体運賃・包括旅行運賃を除く。


| 北海道国際航空株式会社 | |
|---|---|
| 本社 | 北海道札幌市中央区北1条西2丁目9オーク札幌ビル8階 |
| 設立 | 1996年11月14日 |
| 資本金 | 23億2500万円 |
| 売上高 | 299億2,000万円(2007年3月期) |
| 社員数 | 575人(出向者含む、2007年3月31日現在) |
| 概要 | 北海道に根ざした航空会社。運航路線は、札幌線、旭川線、函館線、女満別線の4路線。現在、機材5機で、北海道と東京(羽田)間を1日17往復。「北海道の地域振興への貢献」と「低価格運賃による航空総需要の拡大」を使命に掲げる。 |
| URL | http://www.airdo.jp/ap/index.html |
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