現場の情報をいち早くキャッチし「次の一手」を打つ!
スマートデバイスとBPMで実現するマネジメントシステム

株式会社NTTデータMSEは、1979年の創業以来、長年にわたる携帯電話やカーナビなどのさまざまな組込ソフトウェア開発を通じて蓄積した技術力と、NTTデータグループの強みであるクラウドサービスを活かし、「クラウドビジネス」「モバイルビジネス」「オートモーティブビジネス」を主な事業として手掛けています。 同社は、2013年10月から基幹システムの更改に着手し、2014年7月からサービスを開始しました。
新システムでは、「現場駆動型のマネジメントシステム」を指向し、「Biz∫」ほか実績ある製品を組み合わせて構築を行い、コーポレートビジネスプロセスのシステム連係とスマートデバイス対応を図りました。

これにより、現場の情報をより早く吸い上げることを可能とし、経営判断スピードの向上を実現しました。
導入に至るまでの経緯と適用後の状況や課題を、ソリューションビジネス事業本部 笠原様と営業本部 石井様に伺いました。

課題

――基幹システムの導入に至った経緯と目的をお聞かせください。

笠原: 旧システムは10年以上前にスクラッチ開発したシステムでしたが、さまざまな課題を抱えており、個別対応では限界がありました。
たとえば、営業部門では受注情報などの管理がExcelベースでの手作業だったため、手間がかかりミスが発生しやすく、情報収集や確認作業に時間を費やしていました。 また、旧システムは社内利用が前提だったため、営業担当や常駐スタッフが社外で利用できず不便でした。
システムや運用面の問題としては、システムのアーキテクチャーが古く、最新のOSやブラウザに対応していなかったことが挙げられます。 さらに、暫定対応の積み重ねでシステムが肥大化し、言わばスパゲティ状態に陥っていました。また、運用ノウハウや開発ノウハウの属人化も問題でした。
経営側では、経営データの早期入手が困難であったため、適切な対策を迅速に講じることが難しい状況にあり、PDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルのスピードが遅れがちでした。現場部門へのタイムリーな経営データの共有もできておりませんでした。
このような課題を解決するため社内システムの全面的な刷新を行いました。

株式会社NTTデータMSE 執行役員
ソリューションビジネス事業本部 副本部長
笠原 政高氏

――導入にあたって、重視したポイントを教えてください。

笠原: 弊社のビジネスは、お客様からの受注から納品までの「プロジェクト型ビジネス」であることを踏まえ、現場の情報をいち早くキャッチしてアクションにつなげる「現場駆動型のマネジメントシステム」をコンセプトに、次の3つの方針で進めました。
1つ目は、経営判断に必要なデータをタイムリーかつ高い精度で提供すること。
2つ目は、営業の初動からプロジェクト完了までのビジネスプロセスのシステム化です。部門やプロジェクトフェーズをまたがる情報を連係させることで、ビジネスプロセスを可視化し、適正に管理することが狙いです。
3つ目は、いつでもどこでも使えるシステムです。社外でもオフィスと同一の環境で社員が利用できるよう、スマートデバイス対応を図りました。

――新システムの概要について教えてください。

笠原: 新たに開発した社内システム「Corporate Navi for Biz∫(コーポーレートナビfor Biz∫)」は、NTTデータ イントラマート社のシステム基盤製品「intra-mart」上に、「Biz∫」の各種業種アプリケーションを導入し、さらに自社でアドオン開発したテンプレートや他社の業務アプリケーションを連係させました。
営業日報、案件・プロジェクト情報の共有、勤怠管理、各種申請・決裁、売上管理、原価管理など全てのビジネスプロセスがシステム化されています。

Corporate Navi for Biz∫ システム構成図

――Biz∫を採用いただいた理由を教えてください。

「Biz∫」を採用した理由は、「intra-mart」上で稼働する唯一のERPパッケージであること、NTTデータグループの基幹システムに「Biz∫」が採用されており、連係が容易なこと、豊富な導入実績が決め手となりました

導入

――開発・導入の体制は?

笠原: 開発部門と利用部門のメンバーで構成された、導入推進委員会を設置し、全社体制で進めました。 委員会メンバーには、経理、総務、人事、事業推進担当もアサインされ、利用部門と開発担当の橋渡しの役目を務め、システムテストから全社導入を各拠点と連携して進めました。

――開発において工夫した点はありますか。

笠原: 短期間での導入を実現するため、パッケージの標準機能を活用したノンカスタマイズを原則とし、全社員に影響が大きい機能や画面についてのみ最小限のカスタマイズを行いました。 また、同じデータを二重入力するといった無駄な作業を減らすため、パッケージ連係を実現する自社開発の「プロセスコントローラ」を適用しました。 さらに、スマートフォン・タブレット活用を低コスト・短期間・高セキュリティで実現させるために、モバイルアプリケーション開発基盤「Biz MONOLIS」を活用しました。

スマホの画面イメージ

――ご苦労された点は?

笠原: システムテストフェーズが大変でしたね。 一日も早く稼働開始するために、システムテスト段階から社員が参画しました。 スタッフ部門からトライアルを始め、最終テストでは全社員約1000名が1カ月間にわたり旧システムと新システムに並行入力し、データ整合性の確認作業を行いました。故障対応・要望事項対応・QA対応も実施したため厳しいプロジェクト状況になりました。

石井: 両方のシステムにデータを入力するのは手間がかかり大変でしたが、そのお蔭で新システムに習熟することができ、また改善要望が反映された使い勝手の良いシステムとなりました。苦労した甲斐がありました(笑)

――10ヵ月間という短期間での導入を成し遂げた要因は?

笠原: パッケージに業務を合わせたこと、開発の効率化を図ったこと、そしてシステムテスト段階で社員に参画してもらったことの3点に集約されると思います。

――現在の稼働状況については如何ですか?

笠原: 並行稼働期間を経て、今年の8月から新システム単独稼働を開始しましたが、トラブルなく安定稼働しています。上期の決算処理も遅延なく、無事に完了しました。

株式会社NTTデータMSE
営業本部 第四営業部 担当部長
石井 孝雄氏

効果

――導入の効果は?

笠原: これまで抱えていた課題が解決しました。営業プロセスをシステム化し、実行プロセスと連携させたことで、入力作業負荷削減・データ精度が向上し、情報をシームレスに管理・可視化することができました。予実データを公開することで、社員の経営者意識の醸成につながっています。
また、スマートデバイス対応により、情報共有が社内外で容易に行え、業務スピードが上がり、意思統一がスムーズに行えるようになりました。 運用コストに関しては、システム維持管理作業が減少し、SEの人件費を約3割圧縮できました。
今後は各種データを蓄積し、タイムリーなマネジメントKPIの提供によるコーポレートビジネスプロセスのBPMの精度を上げるとともに、さらなる効率化を目指します。

――実際の利用部門の反応はいかがですか。

石井: 営業の移動時間や待ち時間に顧客情報を調べたり、商談結果をレポートしたりと、スマートフォンの利便性を実感しています。
笠原: 管理者にとっても、最新の案件情報はもちろん、全社レベルで社員の稼働率などの把握が可能になり、効果的な人員リソースの配分の判断に役立っています。

未来

――今後の課題についてお聞かせください。

笠原: まず、モバイルの適用領域を広げたいですね。利便性の高い機能を取り込んでいきたいです。同時に、セキュリティ面や操作性改善などのブラッシュアップを継続的に実施していきます。次に、より使いやすくなるようデータ分析ツールの機能を改善していきたいと考えています。
石井: 社内導入実績を元に、「Corporate Navi for Biz∫」をお客様に導入していただけるよう働きかけていきたいです。弊社で開発し、社員が実際に使っているシステムなので、お客様に自信を持ってお勧めできます。

――モバイルは今やどの業界にとっても欠くことができないビジネスツールとなっており、多くの企業に導入されることを期待しています。それでは、最後に抱負をお願いいたします。

笠原: 「Corporate Navi for Biz∫」は、“人と人”を情報でつなぐシステムです。今後も継続的なブラッシュアップを図るとともに、この知見とノウハウをお客様の経営の高度化のお役に立てるよう、社員一丸となって取り組む所存です。

基本情報

株式会社NTTデータMSE

所在地
〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜三丁目1番9号アリーナタワー
設立
1979年設立、2008年 NTTデータMSEとして発足
資本金
2億円
売上高
135億円(2013年3月期)
従業員数
約1,100名
事務所
本社、東京オフィス、名古屋オフィス、大阪拠点、札幌拠点
事業内容
クラウドシステム事業、モバイルターミナル事業、オートモーティブビジネス事業


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