製品の多品種化、国をまたがる煩雑な処理……。
輸出業務の課題を一気に解決し、
スピードアップさせた「Webシステム構築基盤intra-mart」

光学機械器具の製造、販売大手の株式会社ニコン(東京都千代田区)では、それまで輸出に関する業務処理に活用していたホストシステムを刷新するにあたり、intra-martを採用した

輸出業務特有のニーズに対応するため、業務処理の効率化・迅速化を実現する手立てを求めていた同社では、あらゆる要件に応え、柔軟に変化に対応できる業務のシステム基盤を求めており、intra-martをベースにして、要件を満たす貿易帳票システム「IDES」を短期間・低コストで構築。自社でも要件対応できるシステム基盤として、標準機能によるデータ分析機能、自社開発を可能とする開発の容易性を高く評価している。

今回、同社・システム本部 情報システム部 第三システム課 マネジャーの秋山 広治氏をはじめ、システム構築に深く携わった2氏にお話を伺った。

目次

1.課題
多品種少量生産、複雑な流通経路……
輸出業務特有の課題に応える業務基盤とは

2.導入
複数の会社や国をまたがる複雑な取引にも余裕で対応
intra-martなら、やりたいことがすべて実現する

3.効果
業務のスピードアップ、大幅なコスト削減を実現
幅広い情報共有の基盤としてのintra-mart

4.未来
自社用の業務部品を拡充し、さらに利用を広げたい
自社の開発力向上にも努めていきたい

課題

多品種少量生産、複雑な流通経路……
輸出業務特有の課題に応える業務基盤とは

変化する世界情勢とビジネスのスピードアップへの対応

ニコンの抱えていた課題の1つに、多品種少量生産への対応があげられる。
商品サイクルのスピードが加速するのに伴い、輸出における業務処理のスピードも大幅アップが求められるようになってきた。また、国内外の複数の拠点や多くの協業パートナーとの連携、言語や習慣を超えて国をまたがる複雑な処理、さらに、日本だけでなく各国の法規制への対応も確実に行っていかなければならない。

同社・システム本部 情報システム部の白井純子氏は、intra-mart採用時について次のように振り返る。

システム本部 情報システム部
第三システム課 マネジャー
秋山 広治氏

「世界の情勢がいつどう変化するのか先の読めない中、システムについても、どのような要件があがってくるのかが簡単には予測できません。そのため、いつ、何がおこっても柔軟に対応できる体制を作っておくことが重要だと考えていました。システム化でガチガチにしすぎないということもポイントであり、マニュアル対応の余地も残したかったのです」。

業務処理を効率化・迅速化するのはもちろんのこと、あらゆる要件に応え、柔軟に変化に対応できる業務基盤、これが、同社が新システムに求めていたものだ。

導入

複数の会社や国をまたがる複雑な取引にも余裕で対応
intra-martなら、やりたいことがすべて実現する

輸出業務特有のニーズに対応できるシステムが必要

白井氏はさらに、intra-mart採用のポイントについて次のように語っている。「ニコングループでは製造部門等ですでにintra-martを活用していましたので、他システムで培ったノウハウが活かせる点に期待しました。導入済みの各部署では、ライセンスコスト、システムの柔軟性、Javaベースの容易な開発といったポイントを評価してintra-martを採用していましたが、我々も同じです。また、将来に渡って長く利用するためには、サポートや安定性も欠かせないポイントです。intra-martはこうした要件すべてに合致する製品と言えました」。
さらに新システムと外部連携を行う予定のSAPをはじめ、各種アプリケーションとの相性も重要視された。

システム本部 情報システム部
第三システム課
白井 純子氏

「もちろん、導入にあたり他製品とも比較しましたが、輸出ドキュメントの作成において、ほかでは要件がまったく満たせませんでした。例えば一般的なERPベースの製品だと、1社で導入して1社で使うことを想定しているものが多く、我々が行っているような、多くの会社や国をまたがる業務に適しているとは言い難かったのです」(白井氏)。

スクリプト開発による目に見える完成イメージとスピード開発の実現

intra-martのスクリプト開発により、Javaと比較してかなり短期間での構築が可能になった。開発時に特に重宝したのがモックによる画面の確認だ。開発中の画面をユーザに開示したところ、新しいシステムが容易にイメージできたようで、非常に活発なフィードバックがあったという。実際にこれからシステムを使うことになるユーザとの議論により、本当に現場で活きるシステムに大きく近づくことができたようだ。 また、運用開始後のシステムの変更についてもスクリプト開発ならば速やかに行える。「今までのホストでは、特に情報の連携部分などにおいて、そもそも仕様上できないということが多かったのですが、intra-martになって、この“できない”がなくなりました。こうしてできあがったのがIDES(下図)なのです。やりたいことがすべて実現するのも、intra-martを選んで良かったと感じている部分です」(白井氏)。

貿易帳票システム「IDES」

ViewCreatorによる迅速なイレギュラー対応

SQL文を記述することなく、設定のみで既存のデータベースから参照画面やレポートを自動生成する開発ツール「ViewCreator」が、運用開始後に大きく活躍している。貿易という事業の性質上、ルールを変更しての急ぎの処理、イレギュラーの処理というのは日常茶飯事。これについて、第4システム本部 第2開発部の辻村光平氏は、「画面を1から作らずにすむので、速やかにイレギュラーの要請に対応できる。また、統計資料の作成にも重宝している。蓄積されたデータを存分に活用していきたい」と語っている。

効果

業務のスピードアップ、大幅なコスト削減を実現
幅広い情報共有の基盤としてのintra-mart

社内にとどまらない幅広い情報共有の実現

IDESの実現により、同社では情報共有の体制が一新された。本社・拠点・常駐パートナーはそれぞれ権限内でIDESを利用。intra-martでは、アプリケーションを共通で利用し、DBは各社分割する形をとることが可能だ。組織マスタがカンパニーごとに分かれているので、各カンパニーの権限で必要な項目がログインしたユーザに合わせて適宜表示される。
NACCSとの連携がさらに効率化されたのはもちろん、社外のパートナーや海外販社など、各社の自社システムとも極めて連携しやすい形になった。

「IDESにより、インボイス1件あたり30%の時間短縮が実現したと聞いています。これは1日あたりに換算すると約600分の短縮となっています。時間におわれてシビアに業務を行っている現場において、この差は非常に大きいものとなっているのです」(白井氏)。

ニコンシステム
第4システム本部 第2開発部
辻村 光平氏

システム化による大幅なコスト削減

IDESによりホストをリプレイスしたことで、 トータルコストは大きく削減された。かつては保守費用だけでもかなり高額になっていたが、これはもちろん0に削減された。intra-martによる安価なシステム構築により、大きな費用対効果が得られている。

また、紙の帳票やその発行、保管に関するコストを大きく削減することが可能になった。かつては同じインボイスを保管用、経理用、本社控えなどを出力しており、これらをコンプライアンスに則って長期間保管する必要があった。出力に必要なハード、運用するための人的コスト、紙そのものコスト、保管コスト、文書管理にかかるコストなど、多大なコストがかかっていたのだ。紙帳票にまつわるコストに目を向けてみても、IDESにより年間数百万円のコスト削減になっているという。

未来

自社用の業務部品を拡充し、さらに利用を広げたい
自社の開発力向上にも努めていきたい

今後の展望、intra-martに期待すること

今後の展望について辻村氏は次のように語る。
「intra-martは業務を知っている私たち自身が内製で作れる使いやすさを持っています。このツールをもっと使いこなすために自社での開発力を高めたく思っており、NTTデータイントラマートによる教育サービスに期待しています。また、ユーザのスキル向上にも努めたい。今のところ、ViewCreatorなどは、まだ我々がユーザに利用方法を教えて丁寧にサポートしている状態です。我々の手助けなくユーザが自分で対応できるようになれば理想的ですね」。
同社では、さらなる業務スピードアップと効率化を推進するべく自社用の業務部品を次々にintra-mart上に拡充し、さらにintra-martを活用していく活用していくとのことだ。

基本情報

株式会社ニコン

本社
東京都千代田区有楽町1-12-1
設立
1917年7月25日
資本金
654億7500万円
社員数
連結 24,348人/単独 5,397人(2012年3月末現在)
概要
半導体露光装置・液晶露光装置の開発・製造を中心とする精機事業、カメラ等の映像事業、各種顕微鏡・測定機のインストルメンツ事業の3つの柱を軸に、先端技術で様々な分野に貢献。海外、国内各地に生産拠点を展開。海外での売上高が全体の85%以上を占めるグローバル企業である。
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本事例に掲載された各製品の関連情報は、下記をご参照ください。
●intra-mart Accel Platform
(システム基盤の集大成となるintra-mart WebPlatformの次バージョンを紹介しています。)

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